乙女ゲーをすすめられる
類は友を呼ぶという。
その言葉通り、わたしの周りにはどうも趣味に全力疾走している人種が多い。バンド、ジャニ系、アニメ、アイドル、鉄ヲタ……そのジャンルは実に多種多様。そんな中、とある友人からこんなことを言われた。
「乙女ゲーとかしてみないの?」
乙女ゲー…!
これまで縁遠かったジャンルである。
「ゲームといえばポケモンドラクエFF!冒険モノRPGに限るっしょ、友情努力勝利だぜ!!」ってな感じで育ってきたわたし。次のステージとかゴールとか、そういうのが見えていないとなかなか燃えない。どうぶつの森も、かなり前だとニンテンドッグスみたいなゲーム内ペットを飼うゲームもしてみたけれど、どうもしっくりこなかった。
「だって乙女ゲー魔王倒すとかないじゃん」
「魔王はまぁ倒さないけど…イケメンならいる」
イケメン。
「どのようなイケメンがいるのか」
「それはもう多種多様よ」
多種多様なイケメン。
「きゅんきゅんしたいときに最適!」
「きゅんきゅん…」
この言葉たちに5mm、いや3cmほど揺らいだわたしは、「まぁ確認ね、確認」とよくわからない理由付けをしながらplayストアを起動した。
「なんだたくさんあるんだな…」
「まぁねー、手始めに何が良いかなー」
なんだかもうすっかりプレイすることになっている。
「あ、これCMで見たことある!」
「あぁ、ダウトね!いいじゃん!それやって男見る目養いなよ!」
最後なんか余計なこと言われた?と思いつつも、まぁモノは試しか、経験せずに否定するのもあまりよくないと思いダウンロード。なんかステマ調になってきたけどそんなことは決してない。
「絶対ねー、やるとはまるよー」
「そうかね、ゆうてもゲームの男でしょ?実際に会えるわけでもないしさ」
「それを甘くみちゃいけないんだなー!それなら世になぜこれほど二次元クラスタがいるのか」
「う…確かに」
「あ、でもねあんた初心者なんだから一応言っとくけど」
「なに?」
「課金は、するなよ?」
そんなそんな課金なんて~
そこまでずぶずぶはまるわけないじゃないの~☆
ちょっとだけなら大丈夫!
後戻りできるでしょ余裕だって!
そう思いわたしはゲームを起動した。