Coffee brake

ゆるりと気ままに呟きます。

消滅都市ラプソディ

皆さんの出身はどこだろうか。地方民は都会に憧れ、都会民は地方に憧れる。

田舎育ちのわたしは、よく東京育ちの友人に「帰る田舎があったり方言があったり羨ましい」と言われる。なるほど、確かに帰省は楽しいし方言も好き、地元は好きだ。けれども。

田舎だからといって、のんびりのびのび暮らせるかと言ったらそうではない。特に「あー田舎に行きたーい」と言ったことがあるシティピーポーは注目である。



消滅可能性都市、という言葉を聞いたことがあるだろうか。CMなどでもよく見かけるあのスマホRPGではない。



【消滅可能性都市】
少子化と人口減少が止まらず、存続が危ぶまれると指摘された896市区町村(全国の49・8%)。昨年5月に民間研究機関「日本創成会議」(座長・増田寛也総務相)が発表した。2010年からの30年間で、20~39歳の女性の人口が5割以上減少することが指標。(2015-07-21 朝日新聞朝刊より)



こんな感じ。
ことに東北などはその傾向が著しくて、わたしの出身地もそれに含まれている。

「そんなこと言うなら大学卒業したら帰ればいいじゃん」なんて言われそうだけど、実際地方のそういう場所ではあまり就職先もなく、大卒で戻る人はほぼいない。



というか、大学進学だって正直、「就職」のビジョンまで見据えてする人なんて少ないと思う。

私立学校はない世界、お受験なんて概念がそもそもなくて、ある程度の成績ごとになんとなくそのレベルの公立学校に進んで、それから先を考える。

高校に入って、いろんなガイダンスを受けてはじめて、「ほーん、わたしたちは大学へ行くのか。」って漠然と思う感じ。思ったところでイメージは湧かない。



だって。

大学生なんてイキモノがそもそも周りにいないからだ。



国立大は県内にはあるけどうちの地方にはない、出身高校の先輩たちはほぼ県外へ行くから姿が見えない。

わたしの家みたいに親族一同大卒なんて誰もいない、みたいな家も割とあるし、「なんかそういう学校に来ちゃったから」大学進学を考える。



だから大学に行く=家を出てどっかで一人暮らしをする、という意味合いくらいでしか捉えることができなかった。

そんな感じで上京してしまうと相当なコンプレックスの塊になることも少なくない。


特にわたしの周りの環境は、超エリートの人やらお金持ちも多いし愕然とした。超大手企業、東大卒、留学、ブランドetc...

家族も地元も好きだけど、急に井戸をぶっ壊されて大海に放られた蛙みたいな気分でギャップについていけず。今までいた世界はなんだったのだろう、なんて思うことも少なくなくて。


こんなことを言うと色々言われるかもだけど、たまに高校の友達と集まるとまず出るのが「地方のヤンキーとして生を全うしたかった」という話。

恋愛するたび一生一緒、最後の恋だとSNSにUP、ちょっと遠いショッピングモールへドライブデート、プリクラを撮って。そこそこの年で結婚して子どもができて、親戚みんなに祝福されて、日々の幸せを噛み締めながら暮らす。


……というのをFacebookをスクロールしながらほーん、と眺める我ら。



もしあのまま地方にいたら。

大海を知らなかったら。

こんなに幸せそうな表情を浮かべていたんだろうか。



帰省するたびなんとなく出る結婚観の話。キャリアアップよりも女の幸せを、結婚や孫を望まれる。なんか、何が正解だったのかな、なんて。

上京して楽しいし、大学にきて良かったとも思うけど考えてしまうそんなこと。この環境だって幸せだろうし、ないものねだりなのはわかってる、けど。



そんな中、絶望しきった表情で友人が「地方の闇を見た」という話をしてくれた。