Coffee brake

ゆるりと気ままに呟きます。

マイルドヤンキー

現在、実家に帰省している。年末年始、となると忘年会に新年会シーズン。だから高校の友達と集まって飲んだりなんてしていた。

しかしそこは田舎、飲む場所や出かける場所なんて限られているわけで、どこに行っても誰かしらと遭遇するのが常だ。そんな具合で、その日も中学の同級生に声をかけられた。


「お、久しぶり!何しったん?」

「え、高校の同級生と飲み会ー」

「え、じゃあ頭良い人じゃん。俺らには無理(笑)」



わかりやすく壁が見えた。地方は基本的に私立校という概念がないため、偏差値順で公立学校に進学を決めていく。

わたしが行ったのは、9割9部が大学進学をするという学校だった。その学校の生徒は優等生、頭がいいのレッテルが貼られる。他も同様、地元にいれば出身高校で括りが決まり、カテゴライズされていく。



ところで、【マイルドヤンキー】という言葉を聞いたことはあるだろうか。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%BC

これは一昨年新たに定義付けられた言葉であるのだけど、わたしからしてみたら、というか地方民からしたら「何を今更」と笑ってしまうようなものだ。

だって、その定義に書かれている内容は、小さい頃から「ちょっと怖いオニーサンオネーサン」として認知していた田舎のヤンキー像そのものだったから。


先ほどの高校カテゴライズで言えば、大学進学がほぼないような学校の卒業生がそこに入る。地元就職、地域に根付いた暮らし。


彼ら彼女らの「キティの健康サンダル愛」と熱いEXILE信仰はどこから来ているのだろう。割と全国共通らしい。駐車場やはたまた海に止まっている車からドゥッドゥッドゥッと、大音量でリズミカルなサウンドが流れてくることはよくある。

ゲーセンは溜まり場、飲みは自宅で。だって仕方ない、遊ぶところが地方にはないから。だって仕方ない、車社会で毎回出先で飲んでいたら、全てを代行代で持って行かれてしまうから。

よくイオンに溜まる?だって考えてみろ、田舎で何でもそろう場所なんてイオンくらいのものなのだ。服屋にゲーセン、飲食店。「買い物に行こう」と言われたら、8割方イオンに行くと思って良い。これは誇張などではない。映画館もアイス屋も入っているなら、スーパーデートスポットとしても申し分ない。


職に就くのが早いから結婚も早い。これが地方の現実だ(前記事「消滅都市ラプソディ」とも関連)。


マイルドヤンキーと評される特徴は、(EXILEとかそういうものはよくわからないが)地方で生活していればそうなって然るべき、とはいかないまでも、特別不自然なものではないんじゃないかな、と思う。働き口の状況や色んなことを考えると、なおさら。


わたしはたまたま地元を離れて別の道を歩むことになっただけなのだと思う。別に彼らと特別に距離を置いたわけではない。ただ、高校などの空気によって差が出てきてしまっただけ。年々、その広がりは感じるようになっているけれど。

久しぶりに会った中学の同級生とは、正直もう少し話したかった。あの頃は仲が良かったのに、こんなに距離ができるだなんてちょっと悲しい。



なんだかんだ色々言ったけど、わたしは地元が好きだ。何もない、少子化高齢化は進む、ヤンキーは怖い。だけど食べ物は美味しいし、あったかい。でも、就職は東京でする。ただ「好き」だけでは暮らせない現実もある。複雑なことだ。

そんな思いを抱きつつ、明日は東京に戻る。電車慣れしていない層に対してご丁寧に、「ここでは切符を○枚重ねて入れてください」などとあちこちに貼ってある改札を抜けて。