Coffee brake

ゆるりと気ままに呟きます。

ミッション:弟を攻略せよ!


人ってないものねだりだと思う。


最近どうも「良いな」と思う人は金髪が多いことに気づいた。それもバンドマンで、金髪。生まれてこの方染色ナシの黒髪、ピアスホールもなしの純情乙女()であることの反動がきているのだろうか。


他にも、きょうだいがいない人は欲しいと思うだろうし、姉がいる人はたいてい妹が、兄がいる人は弟がほしかった、なんていうこともあるだろう。



わたしには弟がひとりいる。
性格は正反対、わたしは活発で弟は内気。おまえがコミュ力を全部吸い取ってしまったのではないかと親に咎められる程度には大人しい弟だ。


小さい頃は仲が良かったはずだ。(ちょっとパシりを頼んだり、おやつを無断でひと口もらったりは多々あったけど、そんなのはたぶん他の家庭でもままあることだろうし)ごくごく普通のきょうだいだったと思う。

しかしいつからか、まともな会話はなくなった。たぶん、弟が思春期にさしかかったあたり。中学に入ったあたりからだ。これといって決定的な出来事はなかったはず。なぜだ、なぜだ…?


思い当たる節はひとつ。


田舎育ちのわたしの地域は私立へ進学という概念がなく、小中は住んでいる学区でスムーズに決まる。だからきょうだいはみんな同じ学校なわけだ。

そこで存在感ありありなわたしは至る学校、至るところで武勇伝を残してきた。認知度はひどく高かったはずだ。となると何が起こるか。



「あいつの弟が入ってくるらしい」



教師の間ではそういう噂が囁かれる。視聴率バリ高。どんな弟だ、さぞかしすごいやつなんだろう。注目度満点の中、訳もわからぬ弟はマウンドにたたされる。打つんだろ、なぁ打つんだろホームラン???

そんなゲームが繰り広げられていることもつゆ知らず、姉のわたしはのうのうと日々を送っていた。ある日ボケーッとしていると先生から話しかけられた。


「ねぇ、弟わかったよ。○組でしょ?」

「あ、はい」

「なんか……弟っていうか引っ込み思案な妹って感じ?」



バッターアウト!チェンジ!!!
ワァァァァァア!!!!

能天気なわたしでも、何か「やっちまった」ということはさすがにわかった。ちょうどこのころからだ、弟との会話がなくなりはじめたのは。


そんなことを人に話すと「年頃の姉ちゃんと話すのが気恥ずかしいんだよ~」なんて言われたりするのだけど、そんなことはない。意識してるような素振りはない。わたしのスリーサイズなんかにも微塵も興味がなさそうだ。というか煽るような身体をわたしがしていない。残念!



大学に入り、わたしは上京とともに実家を離れたのでことさら会話はなくなった。帰省をしても同じ家にいるはずなのに、なぜだか顔を合わせることもない。さすがにここまでくるとまずい…?そんなことを思っていたある日。



「○○さんがTwitterをはじめました」



アカウントに通知がきた。携帯の番号が登録されてある場合、このような通知がくることがあるのは、みなさんもご存知だろう。

ふーん、誰だろ。名前からは推測が難しかったので、過去のツイートを見てみた。

アニメの話、音ゲーの話、東方の話、
それに紛れて、食べ物の話とバイトの話…


…?


わたしがこの日実家で食べたものと一緒…?


もしや。


疑念とともに親指を滑らせる。スクロール、スクロール、スクロール…



「ビンゴだ…」



弟のアカウントを発見してしまった。
しかもマル秘のヲタアカと思われるものを。

アイコンは、ロリ系アニメの女の子。



い、いつの間にこんな子に…
妹が欲しかったのね、わたしという姉がいながら二次元に走るなんて…一体わたしの何が不満だt



…あれ。



もしかして:「三次元の姉がクソすぎてロリ妹アニメに走った」のではありませんか?



心の検索エンジンが主張している。
ヲタ化したのはわたしのせい…?わたしがあまりにひどいから生身の女に嫌気がさしたの?確かに実家だとなおさら普段よりオフってるしだらしないかもしれないけど…、え、そんなにひどい?

そのことに気づいてから心のなかで懺悔し続けている。世の中には良い女もいっぱいいるよ。わたしのことは嫌いになっても、他の女の人のことは毛嫌いしないでください…。



そんなわけで社会人デビュー前ラスト帰省中の今、どうにか姉の好感度をあげられないか日々悪戦苦闘している。明日はおはようって、おはようって言うところからはじめるんだ。おやつあげたりするんだ…。

何か進展したら報告します。
アドバイスがありましたらぜひともください(;_;)