Coffee brake

ゆるりと気ままに呟きます。

相席屋デビューの話 最終章

どんな空間なんじゃろかわくわく、と乗り込んだ相席屋。しかし絶望的に会話が盛り上がらず途方に暮れているところでまさかの2軒目の提案をされたというのがここまでの話。


さぁ、ここでルールを振り返る必要がある。基本お店の代金は相手持ちだ。トークに必死すぎてほとんど飲み食いしていないとはいえ、わたしたちは1円も払っていない。となるとどうなるか。


男性陣からの次への誘いを非常に断りづらいのだ。


よく考えてみれば男性陣に「貸し」をつくってしまうお店のシステムである。よほどずうずうしい女でもなければ「今奢ってもらっちゃったし」となるわけだ。ここまで考えていなかったぁぁ!!

加えて普段からノーと言えないタイプでもあるわたしたちは、例に漏れずついていくこととなった。お店を出て気づいたのだが、界隈にはホテルも多い。なるほどそういう目的の人もいるわけか、と気づく(遅い)。幸い彼らはどこからどう見ても草食奥手男子の部類だったので、そのような心配はなさそうだった。


ついた2軒目は赤ちょうちん系のこじんまりとしたお店。世の女子大生はどうなのかわからないけど、お店全体がアットホームなこんな感じ、わたしは嫌いじゃない。お店も変わったところで仕切り直しである。

わたしは相対的に友人の女子感を強調する作戦に出た。ウイスキー等のお酒についてはそれなりに知識があるので、知識を披露しつつ飲む。がんがんにロックで。対する友人は梅酒ソーダの可愛い感じのお酒をちまちま飲んでいる。ほんのり顔も赤い。よしよし。

と、ここで先輩がわたしと同じウイスキーロックをオーダーした。おいおーい!!もうべろべろじゃんか!しかもさっきお酒弱いって言ってたよね!!?


時が経つほど先輩の頭が稲穂のごとく垂れていくことを除けば、そこそこ良い時間だった。残りの連休をどう過ごすのかなどを話しているうちにぼちぼちな時間帯に。まぁ大丈夫、終電はある。彼らの草食さを察したのか、オーナーの女性が目くばせをしてきた。


「いい時間でしょう?電車ないわよねぇ、どうするの?」

「まぁ、……カラオケとかもあるけどね(笑)」


カラオケとか「も」。引っかかる助詞だ。まぁ大丈夫、終電はある。



そこそこにお店を切り上げ、わたしたちは駅へ向かった。と、ここでふらりふらりとした足取りの先輩が立ち止まり、予想外の展開に出た。


「カラオケに行こうかァァァア!!」


うっそだろ!?

後輩くんの肩をぐわしと掴みカラオケ店へ向ける。普通に帰ろうとしていた一同はびっくりである。ていうかそこはわたしらの肩掴むとこでしょ!まさかのオールコースになってしまった。ほんとに人生って何があるかわからない。というか、先輩の思考がもうわからない。というわけでカラオケルームに入るも先輩の歌う曲は


尻すぼみゆく タンバリンの音


もはやついていけない。
ジュディマリ大塚愛と、わたしたちが可愛い曲を入れるも知らないようで、酔いもあってかマラカスのリズムも合っていない。そして極めつけにあろうことか、かなりきていたらしい男性陣はわたしたちをよそに全員眠りについたのであった。本当に、どうして、ここに誘った?

もういいや、と男性陣をいないものとみなし、わたしと友人は吹っ切れてどマイナーカラオケを楽しみ朝を迎えた。とんだ相席屋デビューである。朝目覚めて青くなっている男性陣に、一周まわって清々しい笑顔でわたしたちは別れを告げることができた。というわけで長くなってしまったけど総括をすると。



・何かしら共通点や話題性がないとつらい

・男性に「貸し」を作ってしまうのがつらい



人にもよるとは思うけど。運ゲーなのかな。

あとひとつ実用的なことを言うと、かなりの待ち時間が発生する相席屋近辺には、入れなかった男女グループがうろうろしている場合が多い。だからそこで声をかけたりすれば「そこそこの選択の余地をもって」相席屋状態を楽しめるのかもしれない。今後行く予定の方は参考までに。

しかし一緒に行った友人がかわいそうすぎるので、この子には後日改めてわたしの知り合いを紹介しようと思いました。酒は飲んでも、飲まれるな。